債務整理＝人生のやり直し

　債務整理とは、返しても返しても減らない借金により精神的、肉体的に疲弊した状態を脱し、将来の見通しを立て、生活を立て直し、人生をやり直すための手段です。

　借金苦による自殺、犯罪は古くからあることですが、貸金業者の法定利率が下がり、「債務整理」が浸透した現代でもなお起きています。そのような事件の新聞記事を目にすると、そうする前に司法書士や弁護士に辿り着く手段はなかったものかと暗い気持ちになります。

　支払能力を超える借入れをしてしまったこと自体は、自分を管理できなかったことで反省すべきことです。しかしそれ以外の方法が思いつかず、ズルズルとここまで来てしまったという方がほとんではないでしょうか。

　給料減額、失業、病気、交通事故による不意の出費、接待費の自己負担等、やむを得ない理由で借り始めてしまい、その返済のために他社から借り、徐々に借金に対する抵抗感がなくなり雪だるま式に金額が増えていき、気づいたら多重債務者になっていた、という方がほとんどです。

　なかには浪費のために借金をしてしまったという方もいるかもしれません。しかし浪費だからといって債務整理が絶対にできないわけではありません。借金をしてまでパチンコに走ってしまったのには必ず原因があります。債務整理を機にきちんとそれを突きとめて根本的な問題を克服する方法を真剣に考えて下さい。それができる人には、法律や私たち法律家は手を差し伸べます。

　返しきれない借金をしてしまったことは、「失敗」です。しかし、「失敗しない人」「失敗のない人生」はありません。一度の「失敗」を苦にして、自らの生命を絶ったり人生を棒に振るような行動は起こさないようにしてもらいたいと思います。「失敗」を経験したからこそ学ぶことは多く、それを活かして生きていくことが大切です。

　債務整理の方法は主に、①任意整理　②民事再生　③破産　があります。どの方法を選択するにしても、借金問題は必ず解決できます。失うものもあるかもしれませんが、先の見えない現在の憂鬱な生活から脱却できることは間違いありません。

　各手続きそれぞれにメリット、デメリットがあり、どれを選択するかは債務調査をした後、依頼者の意思、希望をお聞きし、生活状況、財産状況を精査したうえで、その方に最もふさわしい手続きを選択いたします。ですので、今の段階で自分はどれにすべきかと考える必要はありません。

　消費者金融との取引が長いと、いわゆる過払い（契約した利率が法定利率を超えているため返還してもらえる権利がある状態）となっている場合があります。私たちが債務整理を受任して債務調査した結果それが判明した場合は即、その返還請求の交渉や訴訟を行なうので問題ないのですが、次の方は過払いとなっていることに気づいていないか、面倒だからとか司法書士等に頼んでやってもらうとブラックリストに載ってしまうからという理由で何もしていないと思います。

　□　多重債務ではなく、１〜２社から借入れと返済を繰り返している。
 　        収入は比較的安定しており、毎月の返済にも困らないので、自分の財布
　　　代わりにずっと消費者金融を利用している。
　□　過去にボーナスや退職金、あるいは身内の援助で借金を完済した。

　以前は過払い請求のみをした場合（＝借金はない状態）でも、「契約見直し（コード71）」という項目で、信用情報機関に登録されてしまっておりました。いわゆるブラックリストの一種です。しかしそれはおかしいということで、平成22年に廃止されました。ですので、上記に該当する方は躊躇することなくご連絡下さい。放っておくと時効により消滅してしまいます。

　過払金返還請求の報酬は、実際に返還を受けた金額の20％（税別）です。